レオナ新聞 第12号


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レオナ新聞

2008年4月13日 発行

目次

○むぎわらぎく
○介護の仕事をしていく中で思うこと
○食べる楽しみ「医食同源
○研修に参加して
○車中での会話
○こころの泉
○つくし採り
○子守唄
○ある1日 食欲にびっくり
○介護っておもしろいけど難しい・・・けど楽しい!!
○「運命」の2月24日
○介護講習会に参加して
○命日の団子作り
○出会いと別れ


むぎわらぎく


玄関先に飾ってあったドライフラワーの花
「乾燥して飾っとるけど 植えたら春には花咲くんで」
と Hさんが教えてくれた。
さっそくドライフラワーを おすそわけしてもらった。
乾燥した花から芽が出るとは・・・
思いもつかない事だったので驚いた。
「あんたも植えるな?」と聞かれたが 
育てる自信がなかったので断った。
麦わら菊 咲いたら見せて欲しいなあ。Hさん。
いろんな所に種がある そんな気づきを教えてもらい
Hさんのお陰で またひとつ豊かになりました。
人生の先輩に感謝しています。

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介護の仕事をしていく中で思うこと


お年寄りは食べんようになったらいかん
食べんと元気にならんいうのがよく判りました。
なので 食欲が無い時は どうにかして
食べてもらおうと 外出して食事したり
出前にしたりしています。

車椅子になると すぐ歩けなくなります。
歩き方を忘れます。
歩けないんじゃなくて 歩けないようにしてしまう
ことが判りました。
なので できるだけ 昼間は歩いてもらいます。
車椅子になり 慣れてしまうと 介護者も楽かも
しれませんが それではいけないと思います。
歩かないと 入浴、トイレ、便秘、運動不足いろんな
弊害が起こります。
歩く事で ある程度の健康が維持され行動範囲も
広くなります。
好きな時に好きな所へ歩けることで
ストレスもたまりにくいと思います。
自分の足で歩けるだけで おおきく異なると思います。
元気で長生きして欲しいのが私の願いです。

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食べる楽しみ「医食同源」


秋 もみじ狩りに出かけました。
熊野神社と大西神社へ行きました。
おにぎり 卵焼きを持ってピクニック気分です。
「わたし これいる〜」「これ おいしいわあ〜」と
はしゃぎながら外で食べるご飯は格別です。

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研修に参加して


研修に参加し介護の仕事をしている人の役割を自覚しました。
認知症について知らない人に伝えること、
知っている人が1人でも多くなるように。
草の根の対話をし 認知症について知らせる必要があることを。
認知症高齢者を地域全体で支える必要がある。
団塊の世代をピークに高齢者は増えていく。
それを支える人が足りなくなってきている。
そのために 元気でいてもらうことが大事。
認知症の低年齢化や 増大が見られる。
1人でも多くの人が知っていれば その時
そのモンスターに1人で立ち向かうのでなく
地域や近所の人の支援を得られる。
理解してもらえる事で自宅での生活が続けられる。
本人は悪くない。
家族も悪くない。
好きでなった人は1人も居ない。
できることならなりたくない そのために
色んなことをして防いでいるけど 
なったら運命を受け入れるしかない。
病気との戦い
病の人に対して 以前のようになって欲しいと望むより
新しい人?を受け入れる 
できないことを受入れ できないことでなく
今できることを見つけ 行動してもらう。
自分のことは自分ですると 教えられてきた。

時間がうまく前に流れない
前に進まず 後ろに向かう

本人の苦しさを知ろう

自分は絶対 認知症にならないと思っている人がいる。
コロンと死ぬ人なんてほとんどいない。
老後について 家族と話し合いましょう。

Kさんは時間がかかりながらも 皆と同じようにしっかり
おにぎりを噛んで食べていました。
皆も それをじっと待ってくれました。
食べる事は大事だと思います

食欲が落ちていたYさんもビックリするくらい食べて
後で話を聞いた娘さんもビックリしていました。

食べる楽しみは 生きる意欲にもつながり大事だなあと
思う今日この頃です。

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車中での会話


「なんでもかんでも忘れるけど 死ぬことも忘れて
いつまでも生きとるよ。」
と大きな声で豪快に笑い飛ばすKさん。
たくましい姿に感動を覚えました。
おそるべき存在です。

  近頃気になる自動ドアでの人の行き来

近頃は自動ドアの所が多くなり 普通に利用し生活している。
たまに 自動ドアでない所に行くと 
つい 立ちつくしてしまい ドアが自動で開くのを
待ってしまうことがある。
もちろん開くはずがない。手動ドアなので。

また 足腰が悪い場合 歩くのが遅いため 自動ドアに
足やお尻がひっかかる場合がある。
かと思えば 気がせいて 扉が開く前に前進してしまい
ドアにぶつかる人がいる、かなり あわてんぼうな人。

急がずあわてず丁寧に生きたいと思った。

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こころの泉


天気がよかったので「豊浜 道の駅」に出かけた。
そんな時 あるお年寄りから
「思いがけず良い事があった。長生きするものですな。」
と 満面の笑みで言われると なんだかとても嬉しかった。
笑顔に心救われることがある。
介護の仕事をしていてよかったなあと思う瞬間です。

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つくし採り


何をしても 気持ちが落ち着かず 
家族の事を繰り返し話してくれるMさんがいます。
工作をしても めんどくさくなり 
見るのもめんどくさくなるようで 目を閉じてしまう
こともあります。
そんなMさんと 晴れた日に つくし採りに出かけました。
つくし採りという事を何度も説明し 
そのことが ようやく理解できると・・・
急に子供にもどったように 両膝を地面につき
「いっぱいあるやい。」と懸命にツクシを採り始めました。
Mさんと一緒に春を感じられて とても楽しいひとときでした。
ツクシ採りの時は膝や腰の痛いことも忘れていたようです。

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子守唄


レオナの皆さんは 歌が大好きです。
体操をする時など 毎日のように 馴染みの歌を口ずさみます。
おかげで私も いろんな歌を覚える事ができました。
先日 ひょんなことから 友人に子守りを頼まれる事となり
気づけば 6ヶ月の赤ん坊に 私ったら
「あいたーさーみたさー」と
<かごの鳥>を唄っていました。(笑)
友人は 「なに〜その歌〜」と大笑いだったけど
赤ちゃんは 私のヘタクソな歌でスヤスヤ眠っていました。(笑)
歌に世代は関係な〜い なんて思っちゃいました。
これからも 色んな歌を教えてもらおうと思います。

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ある1日 食欲にびっくり

     
私は初めて グループホームの仕事に就きました。
グループホームでは 行事や外出があると
聞いていたのですが 外出の多さにビックリしました。

その日は朝からお弁当作り
「えっ!こんなに おにぎり いりますかねえ〜」
「まだ 足りんくらいよ。」
と笑い合いながら たくさんのお弁当を持ち 
車へ乗り込みました。
ちょうど山の緑も紅く染まり始め とてもきれいな頃でした。
車内では
「あんた あれ見てん。」
「あっ!こっちすごいで」と表情も手も忙しそう
着いた所は 萩寺。
とても紅葉がきれいで 皆さんの口は
「まあ〜」と言ったまま 開きっぱなし(笑)
木の下でお昼にすることにしました。

お弁当を広げると
「おいしんなあ〜」「この卵焼き 上手にしとん」
と食べる食べる。
紅葉など もう見ていません。
しかも 私たちより食欲が・・・ある。
やっぱり花より何とやら

外で食べる お弁当って いつにも増して美味しいね。
また皆で お弁当食べようね。

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介護っておもしろいけど難しい・・・けど楽しい!!


介護に携わるようになって 約2年が経ちました。
「人として関わっていきたい。人間らしく介護していきたい。」
と思いグループホームを希望し レオナにきたのですが
考えが甘かった。
1人1人と関わる時間が多ければ多いほど
腹がたつこともあり、笑いあり涙あり ほんろうされています。
喜怒哀楽を共有することで楽しかったり悩んだりイライラしたり。
「お年寄りが好きだから介護してます。」なんて
きれいごと言ってる場合じゃないです。
でも そんな毎日が<仕事として>ではなく
<一緒に生活している>いわゆる「家族」なんだなあ、と
最近は思うようになりました。
家は家で家族が待っているし、レオナに来れば 
レオナのおじいちゃんと おばあちゃんが待っています。
時々 ついきついことを言ってしまう自分が情けなくて
泣きたくなる時がありますが それでもいいんですよね。
だって「家族」なんだし。
まだまだ ひよっ子な私ですが
暖かく見守ってもらえたら嬉しいです。
そう「家族の一員」として・・・

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「運命」の2月24日


ある日、皆さんとテレビを見ていて
新居浜でNHKのど自慢大会があることを知った。
以前 四国中央市合併記念として土居のアリーナで開かれた
のど自慢予選会に出場した私は あえなく落選した。
<今度こそは>と強い決意で応募を決めた。

生でお年寄りにも観て欲しくて 観覧席抽選ハガキを14人分
出すが 残念ながらハズレてしまい がっかりした。
それでも諦めきれず KさんがNHKにお願いし 当日空席があれば
席につけるかも という良い返事をもらった。
そこから大奮闘の日々が続く。
衣装、かつら、振り付け、当日の出発時刻、お昼は?
付き添いは誰がするか?などなど 考えることは山積み
私1人では どうしようもできないことばかり・・・

でも スタッフの皆さん やっぱりあったかいわあ。
家族みたいに一生懸命考えてくれて 応援の段幕やら
かつらの手直しやら 貴重な時間をさいてまで 私が
<本選に出れるように><緊張せんように>してくれた。
皆が協力してくれたお陰で何とか当日を迎えることができた。

朝早くから スタッフの方は集まってくれた。
一緒に行ってくれるお年寄りも準備万端。
Kさんは 着付けとメイクもしてくれて 
私のお腹がギュルル・・・と鳴ったら バナナまでくれた。(笑)
本番前の緊張をほぐしてくれるように 皆で笑ってくれて
バカ言って楽しませてくれた。

会場到着。
座る席があるか心配だったものの 意外と空いており安心した。
出場者の中でやっぱり私は一番目立っていた気がする。
Kさんに着付けてもらった 大奥の衣装ですよ!!
すれ違う人の視線を感じ ちょっとスター気分★
いよいよ私の出番。

ステージから スタッフやお年寄りの顔が よく見えて安心した。
大段幕をかかげてくれている。
お年寄りは大奥のカツラをかぶっている。
スタッフの皆さんも キラキラの棒を振って
「〇〇ちゃーん!!」と声援してくれる。
でもやっぱり緊張して声が震えるし、足も震えるし、目線定まらず・・・
「ダメだよ・・・。歌 最悪やー。」と思った。

順番が終わり ステージから下り 皆の所へお礼の挨拶に行った。
「よくがんばった!!」「上手やったよ。」「よかったよ。」
と言ってくれ とても嬉しかった。
「なんか感動して・・・。」と泣いてくれる人までいた。
結局 予選落ちだった。

今回のことでヒシヒシと感じたことがある。
一つ目「1人じゃ何もできない」ということ。
スタッフの皆さんの温かい応援があったからこそ 
協力があったからこそ実現したのだと思う。
2つ目は あるスタッフの心に残る一言。
「レオナの一員ということは家族なんで。
家族が何かこまっとったり 何かしようとしよる時は
お互いで助け合って応援してあげな。
あんただけでない。他の人やって 私ら協力する。」

<人を信用する>という事に恐怖を感じていた私の心に
この言葉は響いた。
赤の他人、ただの職場の同僚を<家族>と思ってくれる。
レオナに来て本当に良かった。
あったかい家族が「グループホーム」という名の通り
あったかい<家>がレオナにはある。
スタッフの皆様 入所されているお年よりの皆様 本当にありがとう。

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介護講習会に参加して


講義の始まりは、介護のプロとして 利用者様や家族と
関わっていかなくてはいけないという事でした。
プロとは?
お金をもらう以上 正しい知識や技術や倫理をしっかり
身に付けておかないとプロとは言えないこと。
また 介護に完璧は存在しないということも。
1人1人個人差があるので 同じ介護ではいけないし
介護者は日々悩み続けることが 自分のスキルアップ
となると教えてくれました。
介護実技講義においては
利用者の方は不快や痛みがあれば拒否をする、認知症の方は
特に強く現れる時があると聞きました。
拒否だけを見るのではなく、そこには必ず原因がある事を
考え、改善するようにしていきたいです。
私はまだまだ知識も浅く、技術にも自信がありませんが
少しずつ前進できれば良いと考えています。

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命日の団子作り


今日は息子の命日。
餅や団子の好きな息子のために 団子を作って
お供えしたいと 朝からスーパーに買物に行きました。
手際よく 団子を作り お供えしました。
できあがった団子は あんこの入った大きな丸い美味しい団子
でした。息子さんの思い出話も沢山してくれました。
思うような事がしてやれて嬉しいと言った Wさん。
Wさんの嬉しそうな顔が見れて とてもうれしかったです。
よい命日だったね Wさん。

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出会いと別れ


今ここで 今まで会話し食事を共にし 
それが ある日突然 ここに居なくなる。
体力が落ち疲れやすく 食事をする意欲もなく
どうしたら食べてもらえるのか いつも考えてみる。
食事中 息子さんの名前や昔の話をしながら
「食べて元気になろうね」と声をかけると 口を開いてくれた。
うれしかった。
今までは 食事も食べ残す事がなかったのに
今はほとんど食べられず・・・
なんとか良い方法はないかと考えて 粉ミルクにトロミをつけて
食べてもらった。
本人が元気であれば「こんなん 食べれん」と言うだろうと
思うと少し淋しかった。
でも 何も食べないよりは良いと考えたことだった。
でも これでよかったのかと思うこともある。
元気で天国まで歩いて行って欲しい。
介護職をし 関わり続ける中で 多くのことを深い意味で
教えられる。

「うわ〜 そうなんじゃ〜」
「ええこと聞いた。知らんかった。よう知っとんな。」
「あんたらより長いこと生きてきたきんなあ〜。
まだ100才まで生きるきんなあ〜ハハハ」

介護の中で死と向き合う事はありますが その度に思います。
好きな物をもっと食べさせてあげたかった、あそこへも
ここへも連れて行ってあげたかった、こうしてあげたかった、
といつも思います。
もっと もっと ・・・
限りある時間だからこそ 一日一日を大事にしていきたいと
思います。

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編集後記

介護を続ける中で日々 試行錯誤を繰り返しています。
本当にこれで良かったのか、と。
介護に完璧はありません。
謙虚さを忘れずに これからも頑張りますので
よろしくお願いします。

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